■大聖寺大秘殿(愛知県)その1

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みなさん御存知かどうか知りませんが、愛知県の蒲郡は、マニアの間では“珍スポ多発地帯”として知る人ぞ知る存在でした。なんでそんなに珍スポが発生しちゃったのかというと、温泉が出た上に竹島などの景勝地があったため、昭和の時代に一大歓楽温泉地として賑わったからなんですね。
当時の温泉旅行というのは、団体でハメを外して騒ぐあまり上品とは言い難いスタイルが主流で、今回紹介する『大聖寺大秘殿(だいしょうじ だいひでん)も、そんな昭和の観光客をターゲットに誕生したお色気過剰な観光寺院でした。ストイックな宗教施設をイメージして訪れた人は、クリビツテンギョーしたことでしょう。

そうして歓楽温泉地として発展した蒲郡ですが、その後旅行スタイルの変化によって客が激減。多くのホテルや旅館が廃業し、それに伴って歓楽街も寂れて、街のほとんどが廃墟という状態となってしまいました(……すみません。ちょっと大袈裟に言いました)。
当然、そういった客を当てにしていた蒲郡珍スポ軍団も閑古鳥が鳴くようになり、2010年には『蒲郡ファンタジー館』が休館(その後、別資本により『竹島ファンタジー館』として復活しましたが……)。そして『大聖寺大秘殿』も、2014年9月には営業を終了してしまいました。

ということで、今回もまたガイドとしては役に立たない情報となってしまいましたが、『大聖寺大秘殿』という施設が一体どんなところだったのかを記録として残すため、まだ営業中だった頃の写真をここに公開していきたいと思います。

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巨大ホテルの廃墟や潰れたスナックらしき建物などを横目で見ながら、蒲郡の三谷温泉(みやおんせん)にある乃木山を上ってきました。標高50メートルほどあるそうですが、車道があるので頂上まではクルマであっという間です。

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現れた看板には「秘仏寺」の文字が……。一般的には“秘仏”というと公開していない仏像(あるいはめったに公開しない仏像)のことですが、珍スポの場合はエロ系の仏像を指す場合が多いようです。さて『大聖寺大秘殿』の場合はどちらでしょうか?

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看板の下に冒険マップがあるのを発見! どうやら“洞窟”内の地図のようです。とりあえず気になるのは「子育珍宝仏」と「歓喜界」「双身歓喜天」といったあたりでしょうか……。

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この施設の中で『大秘殿』という部分が主役であることが分かりました。

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クルマを駐車して石段を上ります。

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全部描くのは面倒になったのか、ダイジェスト版の絵地図。

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上までクルマで行けましたね……。

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明治政府の神仏分離令が届かなかったらしく(笑)、『大秘殿』の前には赤い鳥居と国籍不明の狛犬が建てられています。

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特徴的なドーム型の建物ですね。実はこの『大聖寺大秘殿』、元々は「蒲郡三谷温泉ロープウェイ」の駅舎と市営の「三谷温泉プラネタリウム」の建物を流用したものなんだとか。ドームになっているのは、どうやらプラネタリウムだった部分のようです。

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「蒲郡三谷温泉ロープウェイ」は乃木山と国道をはさんだ弘法山の間、およそ380メートルを結んでいたということなので、『大聖寺大秘殿』を見終えた後、もう日が沈みそうだったけど、あわてて弘法山へ上ってみました。

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三河湾を見下ろす場所に「恋人たちの丘」と名付けられた展望台があり、どうもここがロープウェイの駅だった雰囲気です。赤い矢印の下が先ほどまでいた『大聖寺大秘殿』

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展望台の先端から下を覗いてみるとロープウェイのプラットホームが残っていました。ちなみにこの「蒲郡三谷温泉ロープウェイ」の開業は1958年(昭和33年)。開業時は「蒲郡弘法山観光ロープウェイ」という名前だったようです。1970年(昭和45年)に名鉄に譲渡されたものの、1975年(昭和50年)には廃止されてしまいます。『大聖寺大秘殿』がオープンしたのはそれから5年後の1980年(昭和55年)だったようです。

【つづく】

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by kuze007 | 2018-11-17 00:01 | 珍スポット | Comments(0)

廃墟・珍スポ・カオダシ看板・コンクリート公園遊具などの訪問&見物記録


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