「奈良の大仏」といったら、ほとんどの人が奈良県東大寺にある例の大仏(東大寺盧舎那仏像)を思い浮かべると思いますが、実は千葉県にも「奈良の大仏」はあったのです!
752年開眼供養という長い歴史(まあ途中で燃えちゃってますけど……)と、高さ14.7メートルという大きさを持ち、多くの参拝者を集める本家(?)「奈良の大仏」に対して、千葉の「奈良の大仏」とはいかなる仏さまなのか!?
気になって見に行ってきたので、よろしかったらお付き合いください。
インターネット全盛となった今でも、紙の道路地図を眺めては面白いところがないか探している私ですが、たまたま千葉の地図を見ているとき「奈良の大仏」という文字を発見。千葉なのに「奈良の大仏」!? ということでやってきました市原市。行けばわかるだろうと(この考え、ヒジョーに危険です)詳細な位置まで調べてなかったのですが、ちゃんと「大仏通り」に出ることができました!
ところがこの「大仏通り」、参道として直接「奈良の大仏」まで通じていないにしても、途中で畑の向こうにお寺が見えるとか、あるいは看板が出てくるのでは……と思ったのですが、甘かったようです。
行ったり来たりを繰り返し、手元の縮尺が小さい地図を見ながら、だいたいこのあたりと思われる道に入って進んでいったところ、ようやく「大仏」と書かれた看板が現れてくれました!
看板のある分岐で右に行って、またすぐ左に進んで行くと「奈良児童遊園」という看板を見つけました。どうやらこのあたりの大字が「奈良」ということのようです(まあ、予想してましたけど……)。
ちなみにこの公園、通称「奈良公園」と呼ばれているという話。もちろん鹿はいませんが(八丈島のキョンはいるかも……)、遊具もほとんどないみたいですね。
公園の先の林の中に、石仏が見えています。できるだけ事前に情報を集めないようにしていたので、お寺にあると思い込んでいたのですが、どうやらこちらが「奈良の大仏」みたいですよ。
立てられていた看板を読んでみたところ、「等身大の石像釈迦如来像」という以外、具体的な大きさや、いつ頃造られたのかといった、大仏に関する説明がまったくないんですけど……?
これは……かなり小さいですよ。一般的に、お釈迦さまの背丈(1丈6尺=約4.85メートル……巨人ですね!?)より大きい仏像を大仏と言うのですが、絶対そんなにないですよね!?
調べてみると像自体の高さはおよそ1.7メートル。あの小さいと言われる鎌ケ谷大仏でも1.8メートルあって、しかもあちらは坐像ですからね。
もしかして日本一小さい大仏では、と思ってネットで調べてみたところ、愛知県に「布袋の大仏」と呼ばれる阿弥陀如来像があって、こちらは1.33メートルだとか。ただ、この「布袋の大仏」もやはり坐像なので、立像ではもしかすると日本一小さい大仏かもしれません(保証はしませんが……)。
土台の石に刻まれた文字を見ると、文化元年(1804年)に建立されたようです。側面には石工の名前なども残されていました。
どうも、平安時代に銅製の大仏が造られたものの失われてしまい、その後何度か造り直されて現在の姿となっている模様です。
「フルーツあるある」をするときの桐野安生(芸人なんですけど誰も知らないですかね?)にビミョーに似てる気が……。
背面はこんな感じ。螺髪がちょっと欠けてますよ。
文化財看板にも書かれているとおり、敷地内には巨木がたくさんありました。もしかすると大仏より見応えがあるかもしれません。
以上、千葉県市原市奈良にある「奈良の大仏」からお送りいたしました。……まあ、名前オチということですね。
【END】
■DATA
千葉県市原市奈良字大仏台269-2
「奈良の大仏」
2018年2月訪問
珍スポ度:★